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血糖値が良くても糖尿病合併症になる!?
私は7年前に糖尿病と診断された時、すでに糖尿病腎症があると言われました。糖尿病に気づくのが遅れ、何年も血糖値が高いまま放置してしまったからです。
それ以降、たまに何かの拍子でタンパク尿が出ることはありますが、今のところ腎機能は正常、まあ糖尿病腎症第2期ということで何とか元気に暮らしています。昨日の定期診察でも特に問題はなかったです。
ところが、私なんかよりずっと血糖値は低いにもかかわらず糖尿病腎症がどんどん悪化して腎不全になってしまった方の話を何人か聞いたことがあります。
病院の糖尿病教室でははっきりと「糖尿病の治療を真面目にしていない人が糖尿病合併症になる」と医師から言われましたが…真面目に取り組んでいても進行する人は明らかに存在するのでは?
ものすごく努力していたのに糖尿病腎症や糖尿病網膜症などの糖尿病合併症が進行したなんて、こんなに辛いことはありませんよね…
腎臓ではなく目の話ですが、私も糖尿病と診断されてから最初の数年は、これ以上ないぐらいに頑張っていたにも関わらず目がなかなか良くならずに困り果てていました。でもここ2年ぐらいでようやく良い状態で安定しています。
過去の高血糖のツケが腎臓にダメージを与える!!
実は、過去に高血糖だった期間が長いと、その時期に形成されたAGEs(最終糖化産物)という有害な物質がずっと体内に残り、体のあちこちで長期間悪影響を及ぼし続けると言われております。
長年放置していた糖尿病を真面目に治療開始してどんなに頑張ってもなかなか合併症が良くならなかったり悪化したりするのも、それなら説明できますよね。
残念ながら、いったん蓄積してしまったAGEsを魔法のように消してしまうのは無理だそうです…しかし、これ以上新たに蓄積しないように食事を工夫することは出来ます。
またAGEsが腎臓に炎症を起こすことを抑える血圧の薬もあるそうなので、糖尿病腎症の進行が心配な方で血圧の高い方は主治医と相談してみてはいかがでしょうか?上記の本に詳しい解説があります。
そして糖尿病合併症の中でも、糖尿病腎症は「進行しやすい人とそうでもない人」がいるらしく、どうやら遺伝による体質が関わっているらしいのです。
さらに、私の主治医が「糖尿病とは関係なく、中年以降は腎臓病になる人は増える。糖尿病患者であっても糖尿病と無関係の腎臓病になることはある」とおっしゃっていたので正しい診断は大事ですよね!
真面目に通院していれば大丈夫…ではない!?
「自分はきちんと通院しているから大丈夫、もし腎臓が少しでも悪くなれば主治医が何か言ってくれるだろうから今のところ問題ないのだろう」と思われるかもしれません。
しかし、かなり悪くなるまで特に何も言われなかった…という方もいらっしゃいました。何もかも主治医におまかせ…ではいけないかも。不安に思ったら主治医に相談しなければ!
上で紹介した本によれば「もっと早く気づいて治療を開始していれば間に合ったのに、さすがにここまで悪くなってしまうともう手遅れだ」という患者さんもたくさんいらしたそうです。
「糖尿病腎症に気をつける」と言っても、気をつけるポイントがズレていることもあります。「タンパク質ってなんとなく腎臓に悪そう」と言って肉や魚を減らし、果物やパンはしっかり召し上がっていらっしゃったりします。
糖尿病患者が腎症になるのは、何も健康な人よりもタンパク質をたくさん食べているからではありません…もっとも、すでにかなり腎機能が低下してしまった場合はタンパク質制限をしなければいけないうえ、果物などカリウム制限も必要になるそうですが…
新たにダメージが蓄積しないように心がけて耐えていれば、いずれ過去の影響は薄れていくこともあるのかもしれません。間に合うかどうか…
とにかく、何もかも医師まかせにしないで自分でも勉強しましょう。糖尿病歴の長い方は「いま血糖コントロールを頑張る」だけでは簡単にうまくいかないこともあると心得てくれぐれもお気をつけください!
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